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日本小児歯科学会第39回九州地方会大会および総会

企業共催セミナー((株)松風)

むし歯予防に疲れている保護者を救う
「材料の力」

 とき歯科医院
土岐 志麻


抄録

 現在もまだ収束が見えない「COVID-19」の猛威、感染は怖いですが、その予防のために行われた様々な方法が子供たちの環境を大きく変え、その結果が色々と報告されるようになりました。
 自粛生活で、外でお友達と走り回る機会も減り、おうちにいる時間が長くなるとどうしても、子どもにお菓子やジュースを与える機会が増えてしまったようです。その結果、むし歯の増加、歯肉炎の増加など、みなさまの医院でも確認されていると思います。
 文部科学省が7月末に公表した2020年の学校保健統計調査では、むし歯の増加がみられました。調査時期が例年と異なるため、一概に「コロナのせいだ!」とは言えませんが、現状、むし歯が増えていることに変わりはありません。
 むし歯ができてしまった子どもに「おやつの食べ過ぎだよ!こんなになっちゃって」
 保護者に「親が買ってこなければ、お菓子は食べられないのですから、ちゃんと管理してください」なんて、コロナ禍を必死に生きている中、言えませんよね。むし歯ができてしまったことは、子どもも、保護者もとてもショックなことです。せっかく歯科へ「助けて!」と来ているですから、私たちの力を最大限に発揮したいと思います。
 私たちには、むし歯を治す技術があります。切削器具などの道具も揃っています。そして、むし歯をやっつけたなら、その修復をしなければなりません。その修復材料に、むし歯を予防できる力があるなら、願ったりかなったり。保護者へ、「お菓子やジュースを与えるな!」というより、「お口の中は私たちと一緒にきれいにしていき、むし歯予防もしていきましょう。」と伝える方が関係を悪くしません。そして、次に来院したとき、「なかなか減らせませんでした」と保護者が落ち込んでいても、お口の中は、「材料の力」が発揮されてむし歯になっていなければ救われます。
 「あれもしちゃだめ、これもだめ・・・」。そんな世の中ですが、むし歯予防にはGiomer製品を使用し、保護者と私たちにちょっとだけゆっくりと対応できるような時間を持たせられたらと願っています。今回は、そのような製品を症例を用いてお話します。